ICT導入担当保育士が感じているICT化のデメリット

ICT化・働き方

こんにちは!現役で保育士をしているハルステです!

私は勤務園にコドモンを導入して、実際に活用しながら保育士として働いています。

ICTシステムの導入の検討から実際の導入、活用に至るまで中心的に携わってきました。

この記事では、そんな私が感じる「保育をICT化するデメリット」についてご紹介致します。

デメリットを紹介する理由

私自身、保育のICT化を応援しているので、発信内容はメリットが多くなりがちです。

しかし、メリットがあるということはデメリットがあるということ。

デメリットを知っておくことで、これからICTを導入しようとする皆様の転ばぬ先の杖になればと思います。

では早速いってみましょう。

【保育】ICT化のデメリット

①お金がかかる

最初のデメリットは「お金がかかる」です。

PC機材やネット環境を整える機材の購入と整備には、お金がかかります。

ここで注意するポイントは、

「ICT導入するから保育士減らすね。」

とならないようにすることです。

保育士を減らすためのICT導入にならないように注意が必要です。

まず、ICTにはある程度お金をかける必要(価値)があるという認識を持つことが必要です。

重要だと思っていないからお金をかけない

お金をかけないから導入・有効活用できない

導入活用できないから効率化できない

効率化を実感したことがないからICT(効率化)が重要だと思わない

以上のようなスパイラルにハマりがちです。

現在はICTシステム導入や、DXのための各種補助金がいろいろ出ています。

一つの補助金が使えなかったとしても、いろいろな制度がどんどん出てきていますので、他に使えるものはないか調べてみることをおすすめします。

②導入初期の一時的な負担増

デメリットの2つ目は、「導入初期の一時的な負担増」です。

どんなに優良なシステムを導入しても一時的な負担は避けて通れません。

しかも、導入を失敗するといつまでも負担が解消されず、負担増のままになることもあります。

具体的にどのような負担があるのかご紹介します。

その1:慣れないデバイスやシステムをつかう負担

1つ目は、「慣れないデバイス機械やシステムをつかう負担」です。

パソコンを触ったことのない人や、インターネットを使ったことのない保育士が、ICTシステムになれるには少し時間がかかります。

ある程度時間をかけていくと自然に慣れていくことが多いですが、

この負担感を解消しないと、

「いつまでも効率化が実感できない」
「PCやシステムのせいで大変になった」
「やっぱりICTだめだね、今のままが一番だよね」

ICT=悪」と現場の保育士が感じてしまう危険性があります。

解消するために、

  • 気軽にだれかに使い方を聞ける職場環境
  • 職員のITリテラシー向上の研修
  • 職員のスキルや状況に応じたデバイス(機器)を選ぶなど利用環境を整える
  • 操作性の良いシステムを選ぶ

といったことが必要です。

その2:業務環境の変化による心理的ストレス

2つ目は、「業務環境の変化による心理的ストレス」です。

上記した機器やソフトに対する抵抗感は、ある程度時間がたてば慣れて解決することが多いですが、「業務環境の変化」によるストレスは時間だけでは解決することが難しいです。

このストレスの原因は簡単に言うと、「今までの業務(保育)を否定された気持ち」から生まれます。

本来ICTは、大切にするべき保育(目的)を実行するための手段であるべきですが、現場の保育士に「ICT導入が目的」と映ってしまうと、「今までの保育が壊される」と誤解される危険性があります。

この誤解を解消しないと

「なんのためにICT使っているのかわからない」
「いつまで大変な時期が続くんだ・・・」
「今までの保育がICTで壊される」

となってしまいます。

解消するためには、

  • ICTを導入する目的や効果を積極的に職員に共有(園内研修や職員会)
  • 「何を」「いつまでに」「どう使っていく」のかICT導入のプロセスを時系列で示し、見通しを持ってもらう

といったことが必要です。

ICT導入担当保育士が大変

保育園のICT導入には現場の保育士がリーダー的に主導して導入をすすめることが多いと思われます。

私も実際に、導入のための委員会の委員長をしたこともありますし、各種ICT関連の会議で保育士の代表として参加してきました。

この保育士がリーダー的にICTを導入していくスタイルは、厚労省もその方法をすすめています。

「令和元年度 保育士の業務の負担軽減に関する調査研究 事業報告書」によると、

また、保育所側としては、IT リテラシーが高い若手保育士を現場の業務改革リーダーとして育成することにより、ICT の導入の検討が進むのではないかと考えている。

令和元年度 保育士の業務の負担軽減に関する調査研究 事業報告書

とあります。

機能導入のおおまかな手順

ICTシステムの導入が決まった後、機能を実際に保育現場で使えるように導入していきます。

ここで私が実際に保育現場に機能を導入するときの手順をご紹介します。

  1. システムの機能を確認する→自分の園はどのように運用すればいいかテスト
  2. ある程度一人や少人数で検討繰り返し、使い方を決めてマニュアル作成
  3. 園長などの責任者に試験導入したいことを伝える(プレゼン)
  4. 修正入れば②に戻る。ボツになることも
  5. 導入決まれば職員へ説明(反対意見への対応)
  6. 試験運用開始
  7. トラブルや職員からの問い合わせ対応

といった流れで機能を導入していきます。

1つの機能を導入していくのにもとても時間がかかって大変です。

マニュアルもシステム会社の作ったマニュアルもある場合がありますが、「勤務しているの園での使い方を職員に周知するため」のマニュアルも別に必要なケースが多いです。

コドモンの最初の機能導入については、【実体験】「コドモン」はじめて使うならまずはコレをご覧ください。

現場の保育士が導入をすすめるメリット・デメリット

上記したように、現場の保育士がリーダー的にICTシステムを導入することが多いですが、その導入方法にもメリット・デメリットがあります。

現場の保育士が導入をすすめるメリット

まずはメリットです。

  • コストがかからない
  • 現場の課題をよく理解している
  • 導入担当保育士が成長する

簡単に解説します。

コストがかからない

保育士が導入業務をすることで、外部のコンサルタントや講師に依頼する必要がないので、お金もかかりません。

必要なのは、導入業務担当保育士の残業代ぐらいです。

現場の課題をよく理解している

現場をよく知っている保育士が担当しますので、その職場の課題をしっかりととらえ、それを解決するための導入や活用につなげることができます。

導入担当保育士が成長する

私自身、導入担当保育士として長い期間様々な園で業務してきて、その結果成長することができたと感じています。

課題をとらえて解決するために必要なアプローチや、上司や同僚に説明したり理解を得るためにどうすればいいかなどICTに関する知識や経験以上のものを得ることができたと思います。

現場の保育士が導入をすすめるメリット

続いてデメリットを紹介します。

デメリットは1つです。

  • とにかく多忙で責任が重大

解説します。

とにかく多忙で責任が重大

ICTシステム導入の仕事は、普段の保育業務に完全に+αされるものです。

上記したように、「国もICTシステムは若手のリーダーを中心にして…」と述べていましたが、実はこれには大きな矛盾があります。

上記で引用した「令和元年度 保育士の業務の負担軽減に関する調査研究 事業報告書」にはこのようにも書かれています。

「①検討する人的余裕がないこと」「⑤検討を継続できる人的資源と時間がないこと」 については、(中略)また、保育所側としては、IT リテラシーが高い若手保育士を現 場の業務改革リーダーとして育成することにより、ICT の導入の検討が進むのではないか と考えている。

(計画)作成に要する時間に差がでるのは、 経験数も一定程度関係があるのではないかと感じている。最初の一文字を書くところから苦手な 職員もいる一方で、業務経験の長い職員は子どもを表現するための引き出しを多く持っており、 作成時間も早い

ICT未導入の保育所においては、(中略)「施設長自身が ICT に対する苦手意識があり、検討が進んでいないこと」(中略)が導入ハードルとなっており…

つまり、

  • 保育現場に検討する人・時間はないよね
  • でもベテランより書類作成に時間がかかる若手にICT導入を頼もう
  • ちなみにICT導入が進まないの施設長にも原因があるからそこんとこヨロシク!

という状況になっているわけです。

私自身、20才半ばで複数園のICT導入をリーダー的に任されて正直大変でした。

さらにICT導入には、お金や職員の働き方にも大きく影響しますので、園長や経営者クラスの人たちや、システムメーカーとのやりとりなども必要で、若手職員には荷が重いです。

園のベテラン主任クラスになってやっと適正かなと思える感覚です。

ではどういう導入方法をすればいいのか

このようにICTシステムの導入には大変なことも多いですが、どのような導入方法をすればこのようなデメリットを解消することができるのでしょうか。

外部(専門家)と協力しながらすすめる

現場の保育士が保育業務を行いながらICT導入も行うのは負担が大きいので、自治体クラスや規模の大きな法人での導入では特に外部の専門家と協力して導入をすすめていくことが必要だと感じます。

小学校では令和3年度より全国でGIGAスクールが開始し、授業のICT化が進められています。

小学校にはICT活用のための専門家がいます。

GIGAスクールサポーター
学校に対するサポートをする役割で、ICT環境整備の設計、工事、事業者対応を行う。

ICT支援員
教員に対してサポートをする役割で、授業計画の作成支援、ICT機器の準備・操作支援、研修支援を行う。

ICT活用教育アドバイザー
教育委員会や自治体をサポートする役割で、ICT環境整備の計画やセキュリティ対策を行う。

このように小学校では専門のサポーターと一緒にICTの活用をすすめていく制度ができています。

保育現場にもこのようなICTサポートする専門員のような役割が必要だと感じています。

現在のところこのような制度ができる見通しはないですが、保育現場にも早く同様の制度が整うことを願っています。

導入を外部(専門家)に頼る危険性

ICTシステム導入を外部に頼ることで保育士の負担は軽減されますが、それによる危険性もあります。

園の問題は園の内側から見てみないとわからないことも多いです。

保育やその園の現状をよく理解していない立場の人から押し付けられるICTシステムの導入は、それこそうまく行かないでしょう。

「保育」と「ICT」両方の知識と経験が必要

このように、現場の保育士がICTシステムの導入業務をすべておこなうことはとても大変です。

しかし、専門家や外部業者に完全に委託しても導入を成功させることは難しいでしょう。

だからこそ、保育とICTの両方の知識と経験のある外部のアドバイザーの存在が不可欠だと思っています

私(ハルステ)の企画しているオンライン勉強会「#となりの園のICT」では、保育士とICTについての経験を生かして、全国の保育士とICTについて情報交換をしています。

この記事の内容も「#となりの園のICT」の内容を一部抜粋したものです。

毎月内容を変えて実施していて、どなたでも無料で参加することができます。

実際にICTシステム導入についての個別の相談などにも答えています。

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